雨にたたられてシーズン・イン

 久しぶりにブログ更新の運びとなった。最近の生活を羅列すると、まず仕事場である障害者就労支援施設(B型と呼ばれる)に最高のスタッフ陣が形成された。わたしが数カ月のブランクを経て復帰した7月から5名の方が新たにスタッフとして加入。公園管理の外作業男性(54)、サービス管理責任者(46)の女性など、支援に関する基本的な考えが一致するメンバーが集まった。最近のスタッフ・ミーティング終了時には全員から拍手が湧くほどのまとまりとなった。やはり組織は人がたいせつ。

 天候不順、出口が見えない新型コロナ禍、劣化する政治家と官僚の接待疑惑など、「ええかげんにしてくれよ」と、ふさぎこむ材料には事欠かないが、それを吹き飛ばすのはわたしの場合、やはり野球ということになる。アリゾナ(テンピ)では大谷選手(エンジェルス)が二刀流復活の大ホームラン(推定距離143m)をバックスクリーン奥に飛ばした。あの光景、外野後方の建物もダグアウトも、ディアブロ・スタジアムのマウンドも、自分が足跡を記した場所であり、ベースボールをプレーした思い出の球場である。いつかゆっくりとキャンプ地を再訪したいものだと、気分が明るくなった。

 2月27日は野球文化学会の第四回研究大会(リモート)。半日パソコンの前で各発表を聴いた。♪ 野球を「歓喜の学問」にする。野球は人類にとっての重要な資産である。野球を学問にすることは「野球の尊厳」に対する人類の礼儀である ♪ ベースボーロジー宣言の一節なり。野球文化学会の研究論文掲載雑誌が「ベースボーロジー」。今春わたしは初めて論文を投稿する予定だ。原稿はすでに事務局に送付しているがはたして掲載の可否は?自信なし?

 「コーヒーの香りには書物の背表紙がよく似合う」(作家・浅田次郎)。雨の週末、書斎でコーヒーを飲みつつ「終わらざる夏」(上下)を読みふけってはいるが、やっぱり、野球がないと寂しいではないか。古希野球のシーズン・インまじかというのに練習ができない!

 3月22日(月)開幕戦は尼崎(小田南グランド)。二戦目は実力ナンバー・ワンの甲子園スターを29日(月)三田谷に迎える。開幕を控えて重要となってくる練習試合が15日(月)宝塚グリーンスターと組まれた(宝塚スポーツセンター)。となると15日までにどうしても一度練習で激しく投げ込むことが必要になる。だが、雨、また雨の連続だ。

 2月9日初練習(打者の準備不足でフリー打撃はなし)。16日始めて打者に投げ、順調な仕上がりを確認。それからずっと雨。23 , 26, 3月2、 3,  5と、わたしの参加予定日がことごとく雨にたたられる始末。チームは急遽異例ながら6日(土)12:00から練習を組んだ。わたしにはこの6日しか参加できない。5日夜にも雨が降っていたから、まさに「背水の陣」。そして、やっと6日朝に練習可能なグランド状態となり、一昨日の練習を迎えたというわけ。

 「やっぱり野球は愉しいな」と誰かの声。「阪神の三宅秀史(86)が亡くなったね、わたしら世代の選手が次々に死んでいくわ」とヴェテランMさんの述懐。昔は甲子園球場近くの散髪屋さんに行くと三宅、小山、渡辺省三とか月給7,000円クラスが集まっていてね」。とんでもないMさんの思い出話。Mさんて何者?三田プリンスのそんな還暦・古希野球メンバーが嬉々としてボールを追った6日の練習日。野球する楽しさを再確認した一日となった。

 スズキのソリオで三田へ。練習前に肉入りカレーパンが絶品の店でコーヒーを注文してしばし読書を。言葉がぐんぐん心にしみるひととき。この日は20人参加で紅白試合を実施した。わたしは4イニング投げた。還暦選手2名との対戦が勉強になる。今シーズンから多投したい縦のカーブ、得意のシュート、インハイのストレート、そしてスライダー(と一応投げていますが)、甘い球は見事に打たれた。自宅のネットピッチでは悪いフォームが身につきやすいと知った。手投げになりがちだ。反省点が収穫となったマウンドにわたしは満足だった。

 この日も肌寒い天候で、車内のヒーターがうれしい帰り道。また雨だ、水滴がウィンドウにへばりつく。外は寒そうだ。車内は暖かい。朝に買っておいたクリームパンを食べる。満足な味。メモリー・ディスクから「ちあきなおみ」の歌声が流れ、筋肉疲労で重くなったからだがシートに沈み込んで、投げた後の心地よい疲労感が心身をつつんでくれる。「あと50分で家に着くで」と連絡を入れたら、「風呂も入れてるで、M子さん(かつての施設利用者)の母親手作りの栗ケーキをもらっているからコーヒ淹れとくわ」と女房の声。

 自宅に着くころには体のあちこちが痛い?重い?その疲労が野球をする喜びであり、充実の証なのだ。洗濯物をバサッと籠に投げ入れて、湯船にドブン。野球ができる喜びに心が晴れた一日となった。どうやらこれで、今年もシーズンを迎えることができそうだ。

シニアの昭和史 独り言 (還暦野球スポコラ改題)

輝くシニア発掘~中高年に励ましを~

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