キネマの神様とラジオ関西

 古希野球でお世話になる三田へ夫婦で行ってみようと思った。8月13日(金)のこと。三田イオンシネマのシートに座る。一席ごとにあけているからゆったりとした鑑賞気分。「キネマの神様」を観た。松竹の大船撮影所を舞台に50年前の映画人の意気込みや悩み、葛藤が描かれて、芸達者な出演者の演技一つ一つに夫婦して酔いしれた。スクリーンには古き良き日本が在った。夢を持つ若者の姿があった。映画の後はバーミヤンでギョーザと五目焼きそば。いつもの行動パターンを二人でなぞった感じの一日だった。

 昨夜のBS放送で偶然「tonari  no  Shimura」を拝見。故・志村けんが中年男性の悲哀や面白さを巧く表現していて、彼を「キネマの神様」に抜擢する予定だった山田洋二監督の眼力に感嘆させられた。その役を沢田研二が演じていた。いつか茅ケ崎に住む知人の家を訪れたときは大船撮影所跡へ足を運ぼうと思った。昔、映画人たちが立ちよっていた大衆食堂は今も存在するだろうか、「東京物語」の小津安二郎監督が滞留していた茅ケ崎亭のその部屋に宿泊することは可能だろうか。その昔、映画人たちが眺めた江の島をわたしもこの目で見たいと思った。

 映画に触発されて、「9月から古希野球の公式戦が始まるよ」と、三田の街で弾んだ声を出したわたしだったが、期待は見事に裏切られた。世はまた「緊急事態宣言」へ向かう。チームからメールが届く。「公式戦は10月からとなりました。9月12日の解除までは全体練習も中止とします」。仕方がない。今、日本全体が未曽有の感染状態となっているから、活動の自粛は当然だろう。気分を取り直して、17日(火)15:20~40分のラジオ関西「濱田祐太郎のユニバーサル通信」(番組「PUSH」内)に全力を集中した。

 障害者が農業分野に参加して社会参加を果たす取り組みを「農福連携」と呼び、最近国や県が積極的に支援していてその活動が注目されている。「盲目の芸人、濱田祐太郎さんの番組にドリームボールさんに出演していただきたく」と、県のユニバーサル推進課から電話がきて、当初はハーバーランドのスタジオへ出かける予定が感染爆発でリモート出演となった。Zoomもラジオも、もちろん初めてのこと。プレッシャーは大きかった。「あの、その、へてから」と播州弁が飛び出したら大変だし、第一年齢を経て他人に聞いてもらえる声かどうかが心配だった。

 番組では障害を持ちながら農作業に頑張る利用者さんの姿を代弁する義務がある。事業所の存在を周知していただくよい機会だ。ラジオ関西の林真一郎アナとゲストの濱田さんが前面に出るから、抑えた声で的確な返答をしなくてはいけない。一歩引きながらきっちりとした主張を。早朝7時、滝野・社インター北のスポーツ・ジムへ向かう(24時間営業)。汗をかくと声が出るのだ。大事な試合で先発のマウンドへ上る気分だった。筋肉をビシッとさせてパソコン前へ。カメラでスタジオ内のアナウンサーとゲストの姿を確認して携帯電話を耳に当てた。

 冷や汗とともに番組は終了。事業所のスタッフKさん(中学校の同学年)が「これは記念品や」とテープを作成してくれた。かつての同僚たちや、還暦野球三田プリンスのメンバーからも「厳しい賛辞」が寄せられて、みんなのおかげでラジオに声が流れた幸運を感謝する一日となった。このテープがあればオヤジとして子どもや孫たちに生きた証となる。「みなさん、ありがとう」と頭を下げた。もう少しは生きているだろうが。

 千葉真一は死んだ。新型コロナに罹患して亡くなった。82歳だった。大学時代、先輩に聞いた記憶がある。「千葉真一は日体大(日本体育大学)の器械体操部でよぉ、いい男だったぞぉ」と。だから俳優になった当初から彼が好きだった。同じ体育大学系というよしみで。


 ・7月22日   31,103人(約3万人)

    東京オリンピック 

 ・8月8日  119,943人(約12万人)      4倍 


  ☆7月1日  16,866人  →    8月16日  161,303人      10倍


 患者数である。千葉真一の入院は8月8日。自宅療養から体調悪化でオリンピックの閉会と同時に病院へ。ワクチンの「打ち漏らし高齢者」? (JB press 8/21配信参照)。それなのに、政府、東京都知事は亡くなる人が増加しているのを横目に、まだパラリンピックに固執し、子どもたちを観戦させるという。どんな国なのか?


 映画、ラジオ出演、千葉真一の死。それではっきりとした輪郭が見えてきたのだが、年が明けた1月から新しいことに取り組もうと決めた。それは中高年世代を励ますことにつながり、若き日の自分の夢を果たす作業でもある。しばらくは胸に秘めて・・・。映画「キネマの神様」の公式サイトに「各界からの賛辞」欄がある。一つを紹介してこの文章を締めくくりたい。

「GAKU-MC  ラッパー :父にも青春があって、母にも物語がある。そんな当たり前のことを時々忘れるのは忙しすぎる日常のせいだろうか。好きなことにとにかく正直な主人公をみて、久しぶりにとうさんのことを思い出した。この映画を一緒に見たかったなあ」

 そんなオヤジになれるかなあ。

シニアの昭和史 独り言 (還暦野球スポコラ改題)

輝くシニア発掘~中高年に励ましを~

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