「褒められた子ほどタフ」
興味ある調査結果が発表された。国立青少年教育振興機構によれば、「叱られるより褒められた子の方がへこたれない力が高い」結果が出たという(4月26日の神戸新聞)。これはおもしろい。
20台~60台の5,000人に子ども時代の体験を聞いたネット調査によると、「へこたれない力が強い」項目の高得点群は以下のとおりとなっている。
「親に褒められたり叱られたりする経験の多かった人」・・・35.4%。
「褒められたことが多く、叱られたことが少ない人」 ・・・30.9%
「いずれの経験も少ない人」 ・・・10.3%
褒められて育てられた人が「へこたれない力」で30.9%を示したことは、褒めるだけではなく叱ることも大切だと考える人たちに意外な感じを与えるかもしれない。
「自己肯定感」も同じ傾向にあるという。ただ、と研究は語る。家族旅行などの経験が乏しい「家庭の教育的・経済的条件」の低い層では、親に褒められることが多く叱られることの少なかった人の自己肯定感が40.5%で、多く褒められもし、多く叱られた人の33.9%を上回っている。
中学教師時代のわたしの指導などは褒める事より叱ることが多かった。今思えば生徒に申し訳ないし、恥ずかしい限りだ。明石要一氏(青少年教育センター長)は、「まず多く褒めた上で叱るようにし、特に教育的・経済的条件の低い子供には叱るより褒めてあげてほしい」と結論付けている。
その昔、シアトル(ワシントン州)で日本人青年に会った。アメリカで育ち帰国子女として慶応大学で学んだ優秀な人物。彼はいった。「こちらの人は褒められて大きくなるから打たれ弱い。日本人は叱られることが多いから自分の能力に自信が持てない」と。そのK君は双方の教育方法を「ミックスすればいいのですが」と笑った。
褒めれば逞しさが育つ。褒めてから後に少し叱る。高校野球を始め、スポーツの現場で今回の研究結果が活用されることを願っている。
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