高齢者大学と筋トレ

 5月11日(木)午前10時から西脇市黒田庄町の「くろっこプラザ」にて講師を務めた。数十名の会員さんを前に笑いもない単調な話しっぷりだったことは容易に想像できるが、みなさんよく聞いてくれました。同級生のお姉さんがいて、握手を求めてくれる方がいて、会場は講師の遇し方に長けていました。「これが中高年の美徳だなあ」と感じ入った次第です。

 その場で中高年のスポーツについてお話ししました。自分の経験も交えて。

①1日に、20分の散歩×2回 目標は8,000歩。

②さらにストレッチを10分。その後「筋トレ」を10分。

 なかでも筋トレの必要性に力点を置いて語りました。23歳から草野球に参加して投手を始めたのが27歳の春から。当時は思ったものです。「あと何年投げられるかな?せめて33歳くらいまで投げてみたい」と。それが現在は67、あと4ヶ月で68歳を迎えるのにまだ投げている、投げられているんです。まさに筋トレのおかげです。

 昭和39年のこと。わたしは中3の陸上部員でした。やり投げの西日本大学チャンピオンだったKさんがわたしと後輩のA君をバーベルに向かわせてこう言ったんです。「これからはウェイトトレーニングをしないとだめだよ。水泳はアカン、野球選手は重いものを持つな、では時代に遅れるよ」。中学生二人は中華料理店と銭湯の狭間の狭い空き地でバーベルの手ほどきを受けたのでした。Kさんに憧れて、わたしは大学スポーツの世界を目指しました。

 今も自宅倉庫に旧式のバーベルを設置してトレーニングを続けています。カール、アップライズ、スクワット、ベンチプレスで仕事の疲労感、トレーニング不足の体の重さが吹き飛んで、細胞が蘇る感じが全身を駆け巡ります。ネット相手のピッチング練習では硬球を使います。軟式野球のボールを投げるのは試合のときだけ。27歳から投げ始めた肩やひじはそうやっても故障はしないんです。

 大学の研究者によると、軟球だけを投げていると筋力が衰えるそうで、キューバの選手を真似て始めたわたしのトレーニングは(何かの本でキューバの選手が少し重いボールで練習するのを知った)、実は理にかなっているらしいとのこと。バーベルを使い、硬球を投げる自己流筋トレがあってこそ、投手歴満40歳の今も全力投球ができるということです。

 高齢者の方々が両手に小石をもって散歩をしたり、水を入れたペットボトルで軽いスクワットをし、ラジオ体操をされたら関節もしっかりすると思います、なんて知ったかぶって講演を締めました。

 残念なのは年齢を重ねるとトレーニング・ジムへ行って見知らぬ若い人たちに混じることに違和感を覚えることです。自分の時間のやりくりで、ひとりバーベルに挑むことで落ち着いた気分になります。「それが歳をとるってことさ」と誰かに言われそうですが、「年齢を重ねるとすべてに謙虚さが出るんだよ!」と反論することにして、さあ、今から筋トレをしますか。


シニアの昭和史 独り言 (還暦野球スポコラ改題)

輝くシニア発掘~中高年に励ましを~

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