それが組織の中で生きるってことだよ
URLは変化しながらもスポーツに関するコラムを書き続けているが、5月19日(金)にうれしいメールが入った。誰にも気になる人、忘れられない友人・知人がいる。元気でいるか、幸せだろうかと案じていても連絡がつかない、そんな人物からメールが入った。
「blogを読んでいる。こちらは元気だ。懐かしく思っている」。そんな内容だった。うれしいサプライズだった。書き続ける事による「おみやげ」をいただいたと思った。一通の重みあるメールはblogを通じてわたしに届いたのだった。
コラムとともに還暦野球もわたしが継続する営みの一つ。ここでも懐かしい響きを耳にした。18日(木)神戸市須磨区の名谷公園野球場でのこと。所属する三木オルゥエイズは例によって先発投手にわたしを選んだ。1~3イニングがわたしで、内容のいかんにかかわらず4回からは元エースが投げる。
先頭打者は3球三振。2番を投ゴロに抑えて3番打者を再び三振に。ここ10年で最速ではないかと思える直球は打たれる気がしない。2イニング目のマウンドで投げていると須磨のベンチから懐かしい言葉が聞こえた。
「彼は日野クラブの・・・」。わたしがスポーツ人生を充実させた西脇市の軟式野球チーム、日野クラブ。一塁ベンチのその声はわたしの力を認めるように続いていく。「県のベスト4・・・」、ほう、われわれが県の軟式都市対抗野球や天皇杯県大会で二度ベスト4に入ったことを知っている人がいる。さらに「全国で優勝を・・・」。ここまでくると通の世界だ。日野クラブは新日本スポーツ連盟(当時は新体連)の全国大会で二度の優勝を誇る常連チームだった。そんな歴史を知る人が須磨のベンチにいて、わたしを評価してくれる。マウンド上でかつて日野クラブの一員だった自分の草野球人生に思いを馳せた。
3イニングを簡単に抑えてベンチに戻ると監督が交代を告げに来た。「気にしないで」と声をかける人がいた。ゲーム後に握手を求めた人もいた。今の起用方法ならわたしには投手の勲章である完封も、ノーヒットノーランも完全試合もないばかりか、勝利投手の権利もない。だが全く気にしない。チームが求めることに応えるだけ。
今シーズンは目標がある。11月にアリゾナで野球をする。そのためのトレーニングの場と決めて三木の還暦野球試合に参加しているから雑念がない、第一、チームに責任を負わなくてもいいし、練習への不参加を気にしなくて良い。わたしは自分のために投げるだけ。気が楽だ。
日曜のよるTBS放送の「小さな巨人」で、捜査一課長役の香川照之のセリフが印象的だ。「敵は味方のふりをする」。そして劇中で彼は言う。「それが組織の中で生きるってことだよ」と。大げさで曲がりくどい演出が鼻につくけれども人間と組織の問題は永遠の課題である。それを乗り越えた心境になると人は強くなる。
スポーツコラム&還暦野球。継続することで多くのプレゼントをいただくことがある。遠来のメールが、淡々と投げ続けるわたしにさらなる力を与えてくれると確信した週末だった。
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