兵庫ブルーサンダーズとのおつきあい
わたしが代表を務める「就労継続支援B型ドリームボール」が兵庫ブルーサンダーズ(以下、ブルサン)と縁を結ぶことができた。
ドリームボールの命名は漫画家水島新司先生に由来する。彼の作品「野球狂の詩」などに登場する女性投手、水原勇気の投じる魔球はドリームボールと名付けられた。草野球の選手として二度水島新司さんと野球をする光栄に浴した(神宮外苑と多摩川河川敷)わたしは、創設の障害福祉事業にどうしても水島まんがをお借りしたかった。
ドリームボールの利用者は硬式野球ボールの修理を行っている。切れた糸を全縫いし、破れた皮は新球同様の真っ白な皮に張り替える。始めて2年半が経つ。近隣の高校、小中硬式野球クラブは一通りお世話になった。多くの野球関係者は協力を惜しまなかった。しかしながら現場は忙しいし先生方は多忙だから「切れた球が貯まったから取りに来てください」とは言ってくれない。逆に好意に甘えるのは「障害福祉」の看板に頼るようでこちらも良しとしない思いがある。
われわれの事業を理解し、継続的に契約できる団体はないものか?
数か所に営業の案内をした。すぐにブルサン事務局の若い女性、春田さんから電話が入った。「代表の高下(こうげ)から任されて連絡をしております」。球団代表の高下 沢氏とは面識があった。還暦野球三田プリンス時代にお会いしたことがある。「修理後のボールの強度は?」「価格はいくらですか?」携帯電話に流れる春田さんの質問に緊張感を覚えていた。わたしたちの技術力が問われる。事務局の川崎さんから折り返し連絡が入る。「以下の内容でプレスリリースを行います。確認してください」
FAXが入る。「報道関係各位 エコボール(レインボーボール)の採用について この度兵庫ブルーサンダーズでは、練習球の補修についてドリームボール様と契約を結びましたので、ご案内申し上げます。是非ともご取材を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」。
6月24日、ブルサンの本拠地「キッピースタジアム」(三田市)につくと朝日新聞三田市局長の藤井記者から約1時間、丁寧な取材を受けた。真面目な方だった。「今回の契約で球団も消耗品の経費削減になり、ドリームボールさんも受注増で安定作業が確保できます。双方にとってメリットのあるムーブメントがひろがれば幸いです」(上記FAX)。支局長はこのような趣旨を理解してくださる記者精神の持ち主だった。
高下球団代表、川崎執行役員、春田事務局各氏の対応は温かく、続木敏之監督から名刺をいただくことも出来た。さらには井川慶さん(元阪神、ヤンキース、オリックス投手)と言葉を交わし握手をさせてもらった。井川投手はきれいな目を持つ人だった。
スタンドにはスポンサーである「モリタ」(消防自動車等を創っている企業?)の関係者が赤い帽子を揃えて声援していた。わたしに同行した地元多可町中区の3人(いずれも70歳後半の野球好き)は、「いい一日を過ごさせてもらった」と大喜び。ふと3人の荷物をみるとなんと井川投手のサイン色紙などを持っている。オッサンたち、チャッカリしている。
野球を観戦しながら、缶ビールと弁当を楽しんだことも「いい一日」につながったことはまちがいない。3人は言った。「こんな野球チームが近くにあったら地域が変わるで」と。 ブルサンの好意に応えるべくボール修理にがんばらねばと、思い新たに三田市を後にしたのだった。
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