スポーツの復権!三田P紅白戦の締め
本日付け神戸新聞読書欄が本年を振り返る。まず政治関係では中国新聞「決別 金権政治」取材班著を取り上げる。河井夫婦の選挙買収問題を扱う。政治の堕落と官僚の劣化は本年も際立ったから。自然科学では「ジェンダー平等のうねり」が目立ち、ノンフィクション分野ではスポーツ文化評論家・玉木正之氏が、後藤逸郎著「亡国の東京オリンピック」を本年の3冊に取り上げている。玉木氏は「新型コロナ禍で”強行開催”した東京五輪のナンセンスさを記録した快著」と高評価。後藤氏の本はわたしも読んだ。153ページの第4章冒頭の文章。
・結局「国策」の正体は何だったのか? 国民の大きな犠牲の上に開催されたオリンピックピックだが、確実に得をした人物が二人いる。一人は無事に放送権料を得るだろうIOCのバッハ会長。もう一人が森喜朗組織委前会長だ。「国策」を称したオリンピックは神宮外苑再開発という巨大利権の道具だった。
後藤氏によれば、つまり東京オリンピックは神宮外苑再開発のための道具だった言うのだ。結果、新型コロナが感染が爆発し、IOCと物言わぬスポーツ選手への失望感が増した。どこかで誰かがスポーツの真の復権に努力しなかったら日本のスポーツはどうなる?
12月21日(火)午前10時、雲ひとつない三田谷球場で2021年を締める還暦・古希野球「三田プリンス」の紅白戦が行われた。参加者は約28名、全員60歳以上の「とても元気な」オジサンたちだ。先攻チームの投手は還暦のエースKさん、後攻は古希のエース?わたくし。主審は技術の高い古希監督のNさん。すべての舞台が整い試合は白熱の好ゲームとなった。
K投手は沈む球を試投して7イニングを0封。まったく手が出ない。一方の古希エースも2種類のカーブとシュートボールで7回を1失点に抑えた。還暦の主軸から三振も奪った。「わたしのエラーが悪いんでっせ」と1塁手Kさんは言ってくれるが、4回から少し打たせにいったわたしの温情があだとなっての敗戦だった。守りでは内野守備陣による見事なダブル・プレーが相互に生まれて、全員が笑顔、笑顔の明るさ満開。
私は最近「力を抜く」ことの大切さを実感し、ピッチングフォームが完成に近づいている。ヒントは障害者支援施設「ドリームボール」の利用者さんからもらった。わたしが理事長を務めるB型事業所に週2回、明石市から通う若者がいる。自らネット検索して野球ボールを修理するドリームボールを見つけたという。昼休みには10メートルの距離で互いにパーム、チェンジアップ、スライダーなどといいながら20分間芝生の上で投げ合っている。事業所へ通うのだから学校時代には野球部活動の経験もないが、彼は変化球が得意である。コントロールがいい。こんなときに投手としてのヒントを得るのだから利用者様様といえる。
年収めの紅白戦でその昔親しんだフレーズが浮かんだ。「スポーツ、君が主人公」。2021年最後の練習だからみんなの心が一つにまとまったといえるが、誰かが威圧的であったりチームがギスギスしていたらこんな紅白試合にはならない。腰痛がひどいのにマスクをかぶってくれるKさん、深刻な病気の術後にも関わらず本年、練習全出席のMさん(気持ちを奮い立たせての参加だと想像する)の姿もわたしの励みになった1年である。
グランド整備のレイキを手にあちらこちらであいさつの声。「健康で野球ができるだけでありがたいですよね」「来年もまたよろしく!」。心地よい言葉を耳にしてチームリーダーのN会長と三田市内の焼き肉ランチへ。N会長は「今日の紅白戦は最高やったな、よかった、みんなおかしな守備もなかったし、過去最高の盛り上がりやで」、みんないい顔してたとほほ笑んだ。「でもここへくるまで大変だったでしょう?」と尋ねると「20年かかったなあ。当初はチーム内で喧嘩ばかりやってたで」とのこと。
スポーツを欲と金で汚す人たちと対極にある生涯スポーツは、スポーツ浄化の実践現場である。三田プリンスは来年度から喜寿(つまり77歳以上で構成される)チームの創設を視野に入れる予定である。「初練習 1月18日、3月15日還暦近畿王座決定戦・京都)・・・」2022年の真新しい手帳に予定を書き込みながら、来るべき年に思いを馳せる12月25日。
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