硬式野球の愉しみ方
2017(平成29)年9月23日(今日の出来事ですね)、三木グリーンパークでわたしは投げた。27歳で草野球の投手を始めてから今年で41年になる。野球人生を中断することなく41年。長寿の理由は環境に恵まれたから、そのひと言に尽きる。
今日は中学生の硬式野球クラブ、兵庫三木リトルシニア(以下、三木S)の練習に特別参加(オジャマ虫)。三木Sはかつてはシニア・リーグの全国大会(東京)に出場し、卒業生を報徳学園、天理、東洋大姫路などの強豪私学にも送り込んだ歴史を持つ。最近は人数が少なく、大会での敗退が続く弱小チームとなっているが。
わたしは今の三木Sも好きだ。高校野球のミニチュア版といった勝利ガチガチのチームではない。監督、コーチや選手たちには少人数ゆえのやさしさ、奥行きのある余裕が感じられ、だからわたしのような70歳手前の打撃投手を認めてくれるというわけだ。とてもありがたい。
11名を2つのグループに分け、選手のいない所には監督、コーチ、保護者が守備に就いて打撃練習が始まる。まずは6名が打つ。6名×4回のヒッティング。先頭打者は三田市から参加のキャプテン。左打席から快音を発してセンター前ヒット。簡単に打たれる。正規のマウンドから約80センチ前に出て投げているのにアカン。次々にヒットを打たれる。たまには三振もあるのだが、その子はいつも三振らしい。先日の公式戦で二人の投手にノーヒット・ノーランを達成された打線が、なんでわたしにだけ襲いかかるのだ。
「このピッチャーで自信つけないと!」。監督の言葉もふざけている。「うちの選手はこの投手しか打てないからな」。そんな言葉は小さい声で言え、マウンドまで聞こえとるわ。中学生に限りなく自信を植えつける打撃投手。最高やないか。スピードガンならおそらく100~105キロ。6人×4巡=24の打数で撃たれたヒットが8本か9本。打率3割越え。そこで後半のグループに交代。5人×4=20。そこでも3塁打や本塁打が乱れ飛び、打たれたヒットは7本。「あと1本出れば同点や」いや「オレラの勝ちや」、ワイワイ騒ぐ選手たち。なんで試合で打てないの?
三木Sの監督は40年前の教え子。毎日暗くなるまでグランドで野球をした先生と生徒。「先生ジャマになるわ」とは思っていても口には出さないはず。コーチのF君も同じく野球部の生徒だった。情熱にあふれた熱血教師?とかつての生徒たちとの絆は想像以上に深いものがある。かくして、わたしの投げる機会が保障され、68歳の現役投手が維持されていく。
一人平均2球として88球。平均3球なら132球。硬球を投げるとからだ全体が引き締まる感じがする。疲労感やのどの渇きもうれしい。ビールが飲みたいな、今夜は焼肉が食べたいな、とグンと食欲が増す。お金を出しても投げさせてもらいたい中学生相手のピッチング。わたしのお礼は小さいものだ。
「中学生とこうやって野球が出来て幸せやで。お金やない、名誉でもない、商売でもない。うまくいかないときを耐えていけばかならずいい時代が来るから、監督、コーチ、辞めたらアカン」。そういってかつての生徒たちにエールを送るくらいがせめてものお礼なのだが、わたしはうれしい。三木Sで投げていると40年前が蘇り、とても幸せな気分になる。
三木Sにはきっとすばらしい未来がある。中学生も保護者も野球の真の歓びを知っているはずだ。わたしが楽しく感じるのだからチームの雰囲気は間違いなし。来年度の多数入部を期待する。そうなればわたしの練習機会は激減?そりゃ困るけどなあ~。
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