生涯スポーツ 波高し

 待望の春がやってきて、還暦・古希野球の現場は意気揚々。と言いたいところなのだが。実際には病人やけが人が続出している。

 昨日は京都府城陽市へ。マイクロバスで遠征となった。大会は「還暦野球近畿王座決定戦」。城陽市には12年ぶりにJ1昇格を決めた京都サンガFCの練習場があり、野球場の隣には名門の城陽カントリークラブ(9月には日本女子プロゴル選手権フコニカミノルタ杯が開催予定)がある。横断幕まで掲げる、まさに「スポーツの町城陽市」。「スポーツは文化」、それを売りにする市の姿勢がうらやましい。鴻ノ巣山運動公園は好天のもと緑豊かな場所だった。

 わたしは一塁手で先発出場。しかし待てよ、還暦野球だぞと思う。なぜ72歳が?わが三田プリンスは古希野球参加資格保持者(つまり70歳以上)が5名も出場せざるを得なかったのだ。3番打者がけが。そして主力となる選手が病気の治療。実力のある若手選手は仕事を持つため平日の参加は無理ときているから、いきおい古希選手を補充しないと戦えない現実がある。

 65歳まで働かざるを得ない世の中(もうすぐ70歳定年制?)。病気(悪性腫瘍も多い)や膝痛を抱える者も多い。ユニフォームをさっそうと着こなし白髪を帽子で引き締めて、いざ、グラウンドへ!元気そのものの姿だが、その裏では健康不安や労働・経済問題を抱えて、生涯スポーツを全うするのも結構大変な時代。きびしいたたかいの連続なのだ。どのスポーツ分野も同様でしょうね。

 拙守、拙攻でわが還暦のエースを苦しめて、みごとに初戦で奈良チームに敗退。しかし暗いムードはなし。人生経験豊富な「おじいさん」たちはマイナスイメージを振り払うのが早い(単に認知機能の低下?)。新名神の宝塚北SAで「森のパン」を購入するだけで旅行気分に浸って、老人の特権を謳歌するのだった。

 アフガンに散った故・中村 哲氏との対談で作家・澤地久枝氏が語っている。「日本人は、今までの歴史の中でいちばん堕落しているのではないかという気がします」と。深い意味は分からないが、わたしには生涯スポーツが「堕落」を正そうとするひとつの営みだと思えている。



 

 

シニアの昭和史 独り言 (還暦野球スポコラ改題)

輝くシニア発掘~中高年に励ましを~

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