スポーツ遺産の保存に苦労
方向性を明確にしないといけない事業がある。西脇市の歯科医だった故今里純氏は戦後約30年にわたり、日本とアメリカの橋渡し役を務めた。プロ野球界でのこと。大リーグ全球団から年間フリーパスが届き、日本プロ野球事務局の「顧問待遇」として活躍したのちは阪神タイガースの顧問として海外キャンプや外国人招へいに尽力した人物。それが今里純。
日米のサインボール約300球。日米のサイン入りバット、資料、雑誌、研究書を含めると約3,000点の貴重な資料が今、西脇市に残っている。その展示場所を一刻も早く創らなければならない。というのが、わたしに課せられた生涯の仕事である。関係者の年齢が高いから急がねばならない。明日は市の職員からクラウドファウンディングについて説明を受ける。行政が特定の個人、或いは分野にける資料館をもつというのはなかなか困難である。よくよく理解はしている。仕方がない、民間で立ち上げるしかないかな。それが本年の課題だ。
昨年の今頃に阿南市(四国)を訪問した。「日本一の野球のまち」阿南はいかにして生まれたか?市長の発案、号令からスタートしたのだった。「3年やってだめならやめようや」と決めて市長とその命を受けた職員たちで始めた企画が、今や年間1億円規模の事業を持つに至っている。
西脇でもやってみたいなあ、そんな事業を。今里純先生の資料館では西脇市の歴史を彩る野球人の記念品も展示したい。プロ通算317勝の名球会投手、鈴木啓示氏所有のトロフィーなども地元の人に見てほしい。ヤクルト30年の丸山完二氏の記念品も置きたいな。そんな資料館をわたしたちの障害福祉事業所ドリームボールの利用者たちが管理運営していくのも社会的に意義があるのではないか。今はそんなことを考えている。
本音を言えば、行政がまちづくりにつながる文化遺産の保護を積極的に展開してくれればいいと思う。先般小野市のエクラを覗くと31年度完成の全天候陸上競技場のパネル写真が飾ってあった。西脇市には西脇工業高校という高校駅伝の名門校が存在するから、全天候グランドがあれば、高校生の横で小中学生や一般市民ランナーがランニングを愉しむ姿が見られる。そこから時代のリーダーとなるべき若者も育つというものだ。
しかし、わたしたちには金も財産も権力も地位も肩書きもない。あるのは夢と情熱と、ちょっとの地域愛。やるしかないか。みせよう、庶民の底力!
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