さわやかな記事・ある日の神戸新聞
8月22日(月)(だったと思う)、わたしにとっては爽やかないい記事が出た。なかなかやるぜ、神戸の記者さん。ひとつは陸上競技県ユース対抗選手権の記事だった。
市立西宮高校1年生、仲埜 心葉さんの記事。「仲埜(市西宮)が完勝 女子1年100メートル 身長165センチ 力強く抜け出す」。記事とともにオレンジのユニフォームにゼッケン1534を躍らせて疾走する写真も掲載されている。期待されている選手なのだ。
仲埜心葉さんの父親は西脇市出身で、西脇工業高校で走っていた。おばさんたち(双子の姉妹)も須磨学園の長距離選手だった。すでに亡くなっているおじいさんは元体育教師でサッカー部の顧問を歴任していた。社高校体育科の出身である。そのおじいさんの兄もまた高校の体育教師だったが、西脇高校時代は走高跳の国体選手として活躍されたと聞く。やさしい人柄だった(早逝)。さらに付け加えれば、心葉さんのおばさん(父親の姉)は元プロ野球選手と家族を持っている。
いわばサラブレッドの家系?本人の談話がこれまた斬新。「できれば高校2年で全国制覇し、その後は受験勉強に専念したい」と語ったのだ。彼女には外科医になるという夢がある。関学中から進学校である市西宮への進学はかなり困難とのことだが、彼女は4カ月の猛勉強で難関を突破した。
記事は言う。S監督は「向上心が強く、やりたいことに突き進む性格」と評したとか。監督の珍しい姓でピンときた。わたしの40年来の野球を通じた友人、というより理念を共にした同志と呼ぶべきSさんの息子さんだと気づいたのだった。すぐに監督のオヤジさんに連絡を取った。「不思議な縁ですねえ」と笑っていた。わたしは仲埜家の人たちを知っている。
署名記事を書いた神戸新聞の藤村 有希子記者はこう結んでいる。「得意な数学や英語を伸ばすとともに、走りにもいっそう磨きをかける」。スポーツの先に確固たる人生目標を掲げる高校一年生アスリート。稀にみる爽やかな記事は、藤村記者の眼の鋭敏さを示した記事だった。(二つ目の記事は後日に記す)
西脇市に住むおばあさんに電話をすると、「今日は200メートルがあるので、今つくったおにぎりを持って行ってきます」と、いつもの明るく弾んだ声が返ってきた。その声もまた爽やかだった。
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