政治家・官僚の劣化とフェアプレー
ひどい、あまりにもひどい今の政治。もちろん「森友学園」問題をめぐる諸状況のことである。佐川宣寿国税庁長官の辞任。近畿財務局職員の自殺。決裁文書14種類で約300か所の改ざん。次から次へと「新事実」が明らかになり、政府自民党・公明党と野党のせめぎ合いが明日からの国会で激しさを増すと予想されている。
誰が見たって阿部首相とその夫人、あるいは麻生財務大臣の関与は否定できない。関与がないなら、佐川、阿部夫人両氏を国会に証人喚問すればいいことで、それをしないというのはやましい事実が隠されていると判断されても仕方がない。政治家と官僚の劣化、此処に極めり。国民は誰を信じたらいいのかわからない。
現在の政治家と官僚の腐敗は日本全体に悪影響を及ぼすのではないか。学校教育がやり難い。子どもたちが社会に不信を持つ中では先生方の教えが素直に吸収されるとは考えにくいし、はっきりいって全ては大人の責任。子どもたちの将来(倫理観や道徳観も含め)を心配していたら、今度は文科省が名古屋市立八王子中学校における前川前次官の講演内容について詳細な報告を求めたという。開いた口がふさがらないとはこのこと。
口をぽかんとあけたまま、わたしは家族の問題として今回の騒動を考えてみた。もしわたしが佐川氏の立場としたらどうだろうと。どんな圧力が掛かろうと嘘の答弁など子どもたちが許さない。女房もきつく叱るだろう。出世の為、保身のために心無い答弁をするならばあっさりと職を投げ捨てて一市民に戻ることを選択せよと迫るだろう。家族の総意として。だが世の中にはわたしたちと異なる価値観を有する人々が多数存在するのも事実である。
1月18日の「日テレNEWS 24」によるとスポーツ庁の鈴木大地長官(彼は順天堂大学の後輩であり、わたしの信頼し尊敬すべき同級生、セントラルスポーツの鈴木陽二君が育てた選手、人物である)が97団体の関係者を前に、フェアプレー精神教育の徹底を呼びかけた。大相撲やカヌー競技での不祥事を受けてのことだった。鈴木長官の訓示は以下のとおり。
「私たちはなんのためにスポーツをするのか。そしてスポーツのインテグリティ(品位)を守るためには何をすべきかを真剣に考える時だと思う」
スポーツはルールにのっとって行われる。ルール無視では競技そのものが成立しない。今濁ってきつつある日本社会にあって、スポーツ関係者の果たすべき役割がこの鈴木大地長官の発言から見えてくるのではないか。マスメディアに登場するスポーツコメンテーターは声を大にして品位ある政治、スポーツの重要性を訴えてもらいたいものだ。「忖度」せずに。
もう忖度しなくてもいい時期だ。自民党内からも森友学園問題での改ざんを批判する声が出ているし、本来の保守政治家(大先輩を含む)の怒りも聞こえて来る今、みんなが怖れることなくおかしいことはおかしいと発言しましょう。「田舎のスポーツライター」を自認するわたしとしても、古希野球選手の立場からしても、その一員でありたいと思った次第。
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