羨ましい三田市「スポーツの街」宣言
3月17日(土)午後1時、三田市商工会館5階で「2018年 兵庫ブルーサンダーズ壮行会」が開催された。兵庫ブルーサンダーズ(以下ブルサン)はベースボールファーストリーグ(BFL)に所属する独立リーグのプロチームである。若者たちは日本のプロ野球チーム(NPB)を夢見て、アルバイトなどで生計を維持しながら野球に打ち込んでいる。
わたしが代表を務めるNPOは障害福祉事業所「ドリームボール」を運営し、そこでは硬式野球のボールを修繕するエコボール事業を推進している関係上、野球チームとコンタクトを取る必要があって壮行会の会場へ足を運んだのだった。女房も同行した。
参加費は一人2,000円で、2枚の観戦チケットが配布される。チーム関係の若い男女が参加者への対応、来賓への案内等にテキパキと動いている。そのスーツ姿を見た女房はいう。「さとしもこうやってがんばっているんやろね」と。東京のスポーツマネジメント会社に勤務する次男も野球、ゴルフ、卓球などの現場で働いている。同種の若者を見せたかったから連れてきたのだ。
ブルサンが三田市に根付いて9年が経つ。高下(こうげ)球団代表のあいさつを待つまでもなく、わたしたちは初期の苦労を知っている。三田プリンス(当時は還暦野球)の忘年会場へブルサンの営業マンがやってきて酒席で頭を下げていたのを思い出す。あれから9年が経過したのか。少しの感慨で背筋を伸ばしていたら三田市長・森 哲男氏のあいさつが始まった。
「ブルサンはリーグ四連覇を成し遂げ、NPBに2年連続で選手を送りだしました。昨年は楽天にドラフト5位指名も受け、地域貢献の活動にも尽力いただき、ブルサンは三田市の誇りであります」
いいよなあ、市の誇りとする野球チームが存在するなんて。数年前に社会人野球チーム「野茂クラブ」が堺市を離れ所属先を探していたときに、わたしは市の関係者に西脇市が立候補してはどうかと伺ったことがある。「無理ですね」と即答されたが。野茂クラブは現在豊岡市で活動している。
森市長は続けて極めて自然にこういったのだ。「ブルサンがあり、三田の還暦野球、古希野球は全国レベルです。少年野球やサッカーも盛んで、文字どおり三田市はスポーツの街であります」
徳島県の阿南市は「野球のまち」。三田市は「スポーツの街」。三田市では毎年、還暦や古希野球の西日本大会あるいは全国大会が行われ、市も積極的な応援姿勢を示している。ふと羨ましさを感じた。自分の住む町に還暦野球チームがなくて、播磨、三田などでプレーをしていた西脇市のFさん、Oさん(ともに野球の大先輩)は寂しさも感じていたのでないだろうか。
壮行会場を出て「パスカルさんだ」で地元産の肉や魚、野菜などを買って帰宅した。「野菜と肉、魚が同じ場所にあるから買い物がしよい」と女房はいった。帰宅するとテレビで野村克也氏の野球記念館が京丹後市に登場したと放映されている。スポーツによる町づくりは各地で進んでいるだ。
「西脇市にも材料はいっぱいあるんだがなあ」と残念な思いで翌朝の神戸新聞をめくると三田版に二つの記事。ブルサン壮行会とパスカルさんだの「移住者せつめい会」がそれだった。女房は「三田はいい街やね」といいながら、どこかの市と比較しそうになる自分の口をあわてて押えた。
「スポーツのまち」。そんなところに住みたいものだ。
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