正体現る 五輪汚職
みなさん、東京オリンピックをめぐる汚職事件の経緯や全ぼうについて語れます?贈収賄の「五つのルート」ってわかります?高橋元理事や今回の森元次長のやったことを正確に言えないですよね、金額も多すぎて、人的絡みも複雑すぎて。それにもう国民があきれ返ってますから、「またか、また?」てな感じで、いっぱいありすぎてわかりません。
日本は道徳的にこんなひどい国でしたか?フィリピンから強盗を指示したとかひどい事件も多発して、70歳以上の万引きが多くて貧富の差も浮彫で、裁判所が少年事件の記録を捨ててしまったり、政治家が悪いことをしても官僚が「あったことをなかったことに」したり、記録改ざんもしょっちゅうで、「どうなってるのか、日本は?」と思いませんか。
そんな中、東京五輪汚職の背景がわかってきましたね。はっきりしてきましたよ。「亡国の東京オリンピック」(後藤 逸郎・文芸春秋)を読んだときは「ほんとかな?」と思いました。後藤さんは毎日新聞OBのジャーナリストですが、本の帯にはこう書いてあります。「オリンピック強行開催で得をしたのは誰か」と。「貪欲さの金メダルはIOC 銀はNBCユニバーサル 銅メダルは日本の大会組織関係者だ」そうです。
コロナ禍の中でなぜ強行に開催しようとしたのか?それは神宮外苑の再開発計画が遅れるからだったらしいです。「神宮外苑再開発計画は国立競技場の建て替えが前半戦で、秩父宮ラグビー場と神宮球場の入れ替え、伊藤忠本社ビルの高層化が後半戦」(後藤氏)。だから「神宮外苑再開発が真の目的で、オリンピックはその道具だった」というわけで。
「ほんとかな?」と思っていたら、今朝の新聞に出ましたよ、「東京・神宮外苑再開発 都が認可へ」と。簡単に言うと神宮外苑再開発とは「秩父宮ラグビー場と神宮球場を入れ替えて建て替え」「190m級の高層ビルが2棟など4つのビル、ホテル」が建つことで樹齢100年のイチョウなどが1,000本伐採される」とのことです。
学生時代、国電信濃町駅を出て外苑を歩いて国立競技場へ通ったり、軟式野球場でアメリカからやってきた仲間たちと野球をして更衣室で談笑したり、バッティングセンターで打ったり、そして漫画家の故・水島新司さんと野球をしてコーヒーを飲んだあの場所が、「いでらっきょ」さんとビールを飲んだあの場所がなくなるのです。修学旅行の生徒引率でバスの中から「SB軍団」の瀬古選手たちが走っている姿を眺めて興奮したのも神宮外苑だったし、「思い出の東京」が変わってしまうのです。歌も唄えない?「♪ 雨の外苑 夜霧の日比谷」、寂しいものです。
いくら物言わぬ、社会性欠如の代表といわれるスポーツ界も今回は黙っていないようです。平尾 剛教授(神戸親和女子大 元ラグビー元日本代表)は、「秩父宮は西の花園と並ぶ聖地です。コンサートやアイスショーで利益をあげるために、収容人数を現在の2万5千人から1万5千にするなんて何を考えているのか」と言ってます。天然芝を人工芝にするのもラグビーの本質を変えますね。1か月前から反対のネット署名をやっているらしいです。
スポーツジャーナリストのロバート・ホワイティングさんは「歴史ある球場をなくさないで」と訴えています。「世界の大都市と比較すると東京には緑が少ない。特にパリは市民が森林を守り、ピクニックができる場所を残した」と語り、住みにくくなった東京なのに「100年の森」をなくすとは」とあきれます。彼はベーブ・ルースがプレーしたボストン・フェンウェイパーク、シカゴ・リグリーフィールド、阪神甲子園球場そして神宮球場はそのままの姿で残してほしいと願います。軟式野球場も愛好家の「メッカ」です(これは多くの人の意見)。
日本はどうも、おかしい。緑をなくしてビルだらけにする、歴史建造物を簡単に壊す、都民の、いやわたしも含めて日本中のスポーツ愛好家の楽しみや夢、思い出をバサリ切り捨てる、再開発で儲ける人たちは誰?その工事のために無理やりオリンピックを強行した?その挙句が汚職、汚職の連続ではないのか、と、反対の声が上がっているのに東京都は「工事認可」だって。
怒っているだけでは血圧に悪いから、再度「亡国の東京オリンピック」を読み直そうかなと思います。「市民が都会の騒がしさから逃れて緑の中でスポーツを楽しみ、遊べる場所を守るのは都知事の責任でしょう」(ロバート・ホワイティング氏)とはっきり言えるスポーツ関係者が増えてほしいものですね。
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