忍耐そして最高のゴーデンウィーク

 連休が終わりました。みなさんの一週間はいかがでしたか?家族サービス(お孫さんのお世話など)で喜んだり、疲れたり、一様に多忙な日々だったことと想像しますが。こちらは4月29日(土)我が家に「風の菌」が入り、以降今日まで喉、鼻の不調が同居する中で厳しいスケジュールをこなしました。幸いにも発熱がなく、以下の日程を消化することができました。

・4月30日・・・三木市別所中学校で野球部3学年の同窓会。雨上がりの運動場(45年ぶりに  土を踏む)で10人が野球を楽しみ、居酒屋で昭和50~53年の昔話で盛り上がる。後日報告予定。

・5月1日・・・古希野球公式戦(三田市駒ヶ谷)。甲子園スターと3-3で分ける。6回表に左内転筋を痛めて降板。風邪の影響?最強の相手に引き分けは白星に該当する。5勝0敗1分け。

・3日・・・尼崎魚釣り公園多目的広場。県チャレンジ(4年生以下)軟式野球大会役員。6:45我が家を出発。中国道で宝塚下車、尼崎へ。

・4日・・・西脇公園野球場にて自治労少年(中学生)県大会開催。会場責任者として終日緊張した時間を過ごす。

・5日・・・上記大会の二日目を小野市の榊公園野球場へ。3試合中2試合のスコアを記入。

・6日・・・西脇市軟式野球協会で、「あかふじ米」学童野球大会の予選を実施。終日。

・7日・・・7:00に集合するも強雨のため、あかふじ米敗者復活戦は延期となる。新たな予定を入れて帰宅する。理事長がんばる。

 なかなかのハードさ、よくこなせたと自分をほめた連休の活動でした。7日(日)は教え子のK君夫婦と芦屋市へ。K君の車で、これも教え子Y君が料理長を務める店でランチ。折からの雨、乗せてもらう身としては最高のシチュエーション、なにせ雨が大好きなもので。その店「will 芦屋」は芦屋川のほとり、芦屋警察署の南に在りました。夙川、芦屋川、環境抜群の街の風景に西脇市と比較して・・・。シェフのお出迎え。店はビルの一階で全面のガラス張り。いい場所でした。教え子は、かつて勤務していた三宮のホテル時代を思わす白くて長いコック帽子で二組の夫婦を迎えてくれました。

 料理内容は、1,350円で3種類のパスタからチョイス、たっぷりのスープと食べ放題のサラダとこれもお替わり自由の焼き立てパン、普通の喫茶店とは異なり料理長はコック帽子、スタッフは全員蝶ネクタイ。ちなみに魚ランチは1,800円、肉ランチは2,000円。お手頃なレストランでした。ピアノ演奏もあります。わたしはグラスワイン赤を2杯も。中学時代我が家で良く泊まった男が60歳になっていて、「飲み物代だけでいいで、あとは出しておいたから、来てくれたのに」と大サービス。ハードな連休を締めくくるすばらしいランチとなりました。次回は三田プリンスの長老とともに訪れたいと思いました。次はお金出すからな。

 料理長と別れた後は運転のK君夫婦へお礼のケーキかクッキーを。目的地は「ケーキハウス・ツマガリ」です。西脇市出身のプロ通算317勝(歴代4位)を誇る大投手といえば元近鉄投手の鈴木啓示さん。わたしたち西脇軟式野球協会は毎年12月に鈴木さんを招いて「鈴木啓示 草魂カップ学童軟式野球大会」を開催していますが、その際にはいつも鈴木さんが「ツマガリ」のクッキーをお土産としてご持参してくれます。そのおいしさは比がありません。

 「よし、K君夫婦にぜひこの味を」と、甲陽園へ。駐車場係が数人、店の入り口にはお客さんが10人以上も並んでいて(雨なのに)、「さすがすごい人気や、ツマガリは」と驚かされました。店はごったがえしているのに、わたしは名刺を出し「社長室を見せていただけませんか」と依頼、家内は「あんた厚かましすぎるで」と困惑。店を仕切る男性のAさんは快く社長室へ案内してくれました。

 津曲 孝社長は立志伝中の人物で、1987年1月に「ケーキハウス・ツマガリ」を設立され、平成23年には「卓越した技能者(現代の名工)を受賞され、以後も紫綬褒章、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞を受賞。個人の店としては「日本一」でしょうか。素材も味も、従業員のハートも日本一でしょう。その社長室を見せてくれとは。実は社長さんと鈴木さんは懇意の中で、社長室入り口には「317勝室」と書かれており、中には鈴木投手(監督時代も)の写真やトロフィー、記念品が部屋いっぱいに飾られているのです。西脇市民、しかも10年来おつき合いをいただく立場としては見ずにはおれない、そう思いました。

 わたしたち4人は300勝達成時のパネルの前で記念撮影。愉しい時間をいただきました。礼を述べて帰ろうとしたら、店の重鎮Aさんが自分の携帯をわたしに渡されます。耳を当てると鈴木啓示さんの声でした。「あぁ竹本さん、きはったんやね、わたしひとりだからぜひ家へ来てください、Aさんに道を聞いて」。元大投手が「待ってます」と。Aさんはわたしの名刺を受け取るとすぐに鈴木さんに連絡されたようです。店と、社長さんと鈴木さんとの厚い信頼関係がしのばれます。

 「100万ドルの夜景が見える豪邸」。噂の家へやってきました。雨の中鈴木さんが傘をさして迎えてくれました。初めての道でしたから。いっしょに坂を上りながら厚かましさを謝罪、そして4人は雨で煙る景色を眺めました。晴れていると神戸、大阪、関空など広く見渡せるそうです。300勝投手が自ら淹れてくれたコーヒーを飲みながら、約1時間の歓談。部屋狭しと記念品が並びます。「努力ひとすじ」で築き上げた城、そんな感じでした。わたし以外の者は鈴木さんから直接話を聞くのはもちろん初の事です。貴重な時間をいただき帰路へ。「すまなかったな、急に予定を入れて」と謝ると運転のK君は「おもしろい一日やったわ」と軽く明るく返してくれました。

 午後8時過ぎの事、鈴木さんからの電話。こちらがお礼を述べる前にいただいてしまいました。恥ずかしい。「無事に帰られましたか」と。景色にびっくりしましたというと、「遠く日生球場のライトが消えると30分後に帰宅するので、照明が落ちるのを確認して家内は料理を作りました」とのこと。若き日の鈴木さんご夫婦の姿が、わたしにハリウッド映画の一シーン(フィールド・オブ・ドリームズのラストシーン)を想像させたのでした。

 公の要件でなく、個人的に夫婦4人が訪問したことへの不快感はみじんも示されず、対応される鈴木啓示さん、あの人はそういう人なのです。自宅を知り、ツマガリさんとの交友を見て、鈴木さんへの理解がまたひとつ深まったと感じています。

 やっと痰もおさまって古希野球の練習も昨日から再開。連休を締めくくる最高の旅、夙川、芦屋行きでした。その夜、女房とショートケーキを食べました。鈴木さんの言葉が沁みました。「ツマガリのケーキを食べたら他のものは食べられないからね」。

 


 


 

シニアの昭和史 独り言 (還暦野球スポコラ改題)

輝くシニア発掘~中高年に励ましを~

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