実験中・・・ひじを痛めない投げ方

 二刀流で華々しくメジャーデビューを果たした大谷翔平選手(エンジェルス)が10日間のDL(故障者リスト)入りとなった。6月7日(日本時間)の登板後に異常を訴えたのだ。日本で痛めたときはグレード1だったが、今回は新たな箇所でグレード2だという。

 大谷選手の故障を巡ってはさまざまな意見がある。MLB関係者は二つの理由を挙げた。ひとつは、使用球が重くて、打者のレベルが高いから全選手に全力投球を余儀なくされること。二つ目はスプリットの多投。日本のプロ野球関係者の中には走り込み不足とする意見もある。本当のところはどうなのだろうか。

 日本で高校野球を経験し、プロ野球で投げ、MLBでも成功した長谷川滋利氏(元オリックス、エンジェルス、マリナーズ)は2015年のコラムで次のように語っている。要約してお伝えする。「アメリカの高校はリーグ戦形式で、投手は週1回の登板であるが、日本ではトーナメント。酷暑の中、連投に次ぐ連投で死闘を演じれば演じるほど美談が生まれる。若いからだへのダメージは大きい」

 「日本球界の未来のために、組織やシステムを基本的に変えるような活動をしたい」と願う長谷川氏は具体的な数字を紹介した。MLBでは100球投げると4日空ける。リトルリーグでは、10歳以下は1日75球、11~12歳は85球と決められ、61球以上投げると3日の休養が義務付けられる。大学では1日投げ込んで2日休養し、MLBのキャンプでは1日投げ込んで1日休養のシステムが守られる。

 残念ながら、日本には球界を網羅する基準がない。毎週大会を持つといわれる少年野球の指導者や関係者はどのような基準で子どもたちの肘や肩を守っているのだろう。高校野球の指導者は「肩は消耗品」と考えているだろうか。何より残念なことは、大谷翔平選手の故障以後も、日本のマスコミでは肘や肩を守ろうとするキャンペーンは行われていない。

 ならば、自分の肘は自分で守るのだ、わたしはそう思った。昨年来の新しいフォームで一時は右尻を痛めた。速度は増したが投球後の肘に痛みが走った。肘の故障には、靭帯の未発達時(小、中、高)における投球過多と同時にフォームにも原因があるだろう、と素人は考えたのだ。そこでフォームを昔風に下半身で投げる形に変えてみた。フォーム新旧の良い点をミックスするのだ。

 16日(土)吉川総合運動公園、梅雨の晴れ間は暑いが、風は涼しい。三木シニアの中学生を相手にマウンドで約80球を投げた。フォームをあれこれ試しながら投球した。先頭打者には右中間へホームランをサービス。プレートの80センチ前から投げても打ちごろ?中学生たちはわたしの姿が見えると喜ぶらしい。厳しい練習から解放されて愉しいバッティングができるし、球は素直でコントロールがいいから打ちやすい。みんなの笑顔はそれかよ。

 練習を終えて1時に帰宅。シャワーを浴びて女房得意の「肉うどん」で昼食。短パンTシャツでソファにもたれると脚の上に「ななちゃん」(19歳のホンマにかわいい猫)がやってきてともにまどろむ。窓からは涼しい風が入る、この世の幸せを満喫。野球の後の疲労感は何物にも代えがたい。そして・・・

 そして、ひじは痛くない、軽い、振ると気持ちよい。新しい野球理論と旧来の日本的理論との融合。わたしは自分のピッチングをとおして実験、研究を深めたい、と半ば冗談ながらちょっとまじめに考えている。

 

 

 

 

シニアの昭和史 独り言 (還暦野球スポコラ改題)

輝くシニア発掘~中高年に励ましを~

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