噛みしめる歓び
7月2日(月)は暑かった。梅雨の中休みは蒸し暑く、年寄り(古希)の野球には酷な一日だった。体操するだけ、キャッチボールするだけで汗が体中から吹き出すし、むせかえる熱気が脳をも直撃する勢いだった。ベンチ内の塩味キャンディだけが唯一の涼感。
第一試合(公式戦)は川西ジャガーズの猛攻を受けて0-20のすごいスコアで破れた。右へ左へ、外野手は何度も走らされ、連戦が続くエースのN投手にも疲労の感がぬぐえない。そんなわけで交流試合の二試合目に雪辱の期待がかかる。
良い試合をしてチームに明るい空気をもたらすぞ。と思ったのに、エラーに四球、ヒットが絡んで初回に5点も取られた。フォームがどうもしっくりこない。コントロールの良さが売り物なのに、どうも細かさが出ない。不満足な投球ながら、わたしは続く5イニングスを無失点に抑えていった。するとチームは粘りを見せて8-5と逆転。
それなのにわたしは最終回、先頭を四球で歩かせ、お決まりの拙守あり、本塁打あり、タイムリーエラーありで、情けなや、8-9のサヨナラ負けと相成った次第である。石段でTシャツ、短パンに着替える間も汗が噴き出る。しかしながら、古希野球の良さは、勝利も敗戦もすぐに忘れて、野球が出来る健康な自分に素直に感謝できるところにある。
古希野球で7イニング激投の翌日は、「農福連携事業」の「金ゴマ」づくりで、田圃の畔を刈り払い機作業。投げた翌日は疲れているのに、体はシャンと引き締まる。まだまだ元気。自分の健康に喜びながら、6月31日(土)の小学校同窓会(といっても酒好きな男が8人だけ)を想いだしていた。
まじめだった友人の一人がパーキンソンを患っていて、「自分でシャツが着れなくなったわ」と明るく笑った。暗くはない。偉い男だ。それでも小学校時代の同級生に会いに来てくれる。もう一人、現役の大工さんは「男はつらいよ」の大ファンだといい、皆で葛飾柴又へ「旅行したいなあ」と懇願した。そんな同窓会の後だけに、野球できる歓びが敗戦のショックを追っ払う。
わたしは投げ続けなければならない。同世代のためにも元気で野球をしなければ。そのためには不満足なピッチングの反省も大切な仕事だ。ピッチングのメカニックは複雑で、ちょっとした不具合も許されない。わたしの場合は上げた左脚をたった1秒弱、止めるか止めないかが成否の分岐点なのだ。そのことを再確認し、二つのグラブに白いマジックペンで書いた。
「Stop 1秒」と。次回からはこの字を眺めながら隙のないピッチングをするぜ。古希野球デビューの来年度に向けて、わたしは着々と歩を進めている。それもこれも、三田プリンスの監督、コーチそしてメンバーのおかげだ。そこに同級生がいる。ありがたきかな、健康。
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