中学生からMLBへ 新しい生き方

 古希野球練習生(わたし)は汗が噴き出る夏場になって体調がグングン上昇中である。ランニング、筋トレ、ネットピッチングをこなすたびに数年前の体調に戻るようだ。昨年暮れの前立腺肥大手術後のスッキリ感もある。女房の健康面を熟慮した食事も効果大。水素水から各種サプリメントも影響しているのだろう。水泳トレも開始した。西脇市の天神池プールで泳ぐと凝り固まった筋肉の疲労が抜けていくように感じる。ひじや肩も軽くなるし、効果がありそうだ。

 だが、残念なことに、夏は若者の季節、主人公は中学・高校のスポーツ選手たちである。わたしが創設し、今は形だけの代表を務める西脇多可硬式野球クラブ・シャイン(中3生が夏の部活動終了後に参加する地域のクラブ)の活動も始まった。九州や中国地方に甚大な被害をもたらした大雨のまっただ中、7月8日のスタートだった。本年で6年目を迎える。全国各地では夏の甲子園を目指す高校野球予選が熱戦を展開中。そんな季節に新しいニュースが飛び込んだ。日本の高校野球を目標とせず、中学卒業後に直接アメリカへ向かう16歳が現れたのだ。

 去る8日のこと、大阪府に在住する16歳の結城海斗君が、アメリカのカンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約をした。彼は河南リトルシニア時代に、日本代表としてアメリカで開催された国際大会に出場した経験を持つ。身長188センチ、最速144キロの右腕投手は甲子園よりもメジャーリーガーに魅力を感じた。「自分より体の大きな選手が多かった。こういうところでやっていきたい」と語っている。(中スポWeb)

 日本のひとつのパターン。少年野球から硬式野球クラブへ(シニア、ボーイズ、ヤング、ポニーリーグなど)。そこで鍛えて甲子園出場のために全国の私学へ野球留学し、プロ野球選手を目指す道。そこに指導者、保護者が目の色を変える。この流れがますます顕著になりつつあるのが現状ではないか。そこへ一服の清涼剤が登場した。それが結城君ではないだろうか。いつの時代も、新しい生き方、挑戦が社会を照らす。

 日本の野球は高校野球が土台。アメリカはMLBを頂点にピラミッドが形成されている。日本プロ野球のオールスター・ゲーム開催時にスター選手が高校野球のユニフォームでパフォーマンスする国が日本なら、アメリカは球数制限を守りながら数年かけてじっくりと選手を養成する。ロイヤルズは本年度結城君を育成プログラムで鍛え、来シーズンからゲームに出場させる方針だという。肘や肩を大切にしながら、どうかながく活躍できる投手として成功してもらいたいものだ。

 彼が広大な地・アリゾナのキャンプ地で(知っているからわかる、自慢?)成長する日が楽しみだ。とここまで書いて、ふと心配事が脳裏に浮かんだ。おいおい、NPB(日本プロ野球機構)がまたぞろ珍ルールを持ち出すんじゃないか?例えば「日本の高校野球を経ずにアメリカと契約した選手は永久に日本プロ野球と契約することはできない」とか。前例がある。

 当時、社会人野球「日本石油ENEOS」の投手で、ドラフト上位指名確実といわれた田沢純一投手がメジャー挑戦を表明した。2008年9月12日のこと。アマ3団体(日本野球連盟、日本高野連、全日本大学野球連盟)は22日に連絡会を開催して、「田沢の希望を重視する」と発表したが、NPB実行委員会は10月6日、「日本のプロ野球を経ずにMLBと契約した選手はその後、高校は3年、大学、社会人は2年間日本のプロ野球と契約することはできない」とする決定を行った。世に言う「田沢ルール」である。

 まさか16歳の結城海斗君にこんなことは言わないだろうな。ならば、と考えた。今、活動がスタートしたわたしたちの地域硬式野球クラブ「シャイン」の中学生からアメリカを目指す選手が出てもいいのだ。そんな日がやってこないとはだれも言えない。そうなればロサンゼルス・ドジャースの関係者に打診するか。ドジャースのトレーナーNさんに言うか、サンタモニカの歯科医Sさんか、娘の主人を通じて大谷選手の世話をするM氏に伝えるか。方法はあるじゃないか。

 一人の少年の新しい生き方が日本の子どもたちの夢に新しい選択肢をもたらす可能性がある。爽やかな決断に拍手を贈りたい。ガンバレ、結城君。

 

 

 

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