さあ、新しい人生へ
我が家からすべての動物が姿を消した。愛犬二匹と猫二匹。アンカーとなった19歳の「ななちゃん」が老衰で亡くなったのは9月26日(水)の3:42分だった。夫婦で添い寝すること丸5日、人間が大好きで、手枕を好み、言葉がわかるかのように振る舞ったアメリカはサンディエゴ生まれのバイリンガル?の死はなかなか辛い。
女房は泣いた。家から葬儀場へ連れ出すとき、思い出が溢れ、好きだった庭を、家を、家族を離れる瞬間、かわいそうでかわいそうで、と泣いた。離れがたかったのか、ななちゃんは粘っていた。その姿にわたしは「お父さん、お母さんありがとう、これからは二人でゆっくり旅行などを楽しんでください、さようなら」のメッセージを受け取った。最後の日に私たちに向かってミヤォ ミヤォと三度泣いた。
家はガランとした。家族が減ってちょっぴりさみしい。同時にもう世話をする必要がないから、時間に余裕が出た。部屋もきれいになった。わたしは69歳、女房は70、二人のこれからの人生のために「ななちゃん」は急いだのかもしれない。犬、猫と暮らした20年が終わり、わたしたちは新しい人生に向かう。
子どもたちが住む名古屋、茅ケ崎へ行こう。来秋には夫婦で娘の住むロサンゼルスを訪れよう、と話している。そこに野球がある。いよいよ来シーズンは古希野球にデビューを果たす予定だ。メンバーの良さを引き出すようなピッチングで、皆に古希野球の楽しさをプレゼントしたい。マウンドで躍動して見せる。今、真剣なトレーニングが始まっている。
順大の同窓会では優雅な老後を過ごす者、年金暮らしの日々を送る者、病と闘う人もいた。全体としてはリタイア後の余生をのんびり過ごす雰囲気に満ちていた。だが、わたしの仕事はまだ閉じられてはいない。
生涯スポーツ、日系人野球、日本野球学会などで自分の研究を深めたい。もう一度、アメリカでプレーしたい。今の障害者就労支援施設を充実させて後輩に譲りたい。古希野球の熱気を高める働きがしたい。家族との絆をさらに深めたい。目標は大きく、広くどん欲だ。
人生の後ろを振り向かず、前を向いて生きてください、わたしたち夫婦にそう語りかけて、「ななちゃん」は逝った。最後まで賢い猫だった。さあ、新しい人生が始まったぞ。
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