「スポーツと平和」
町内に地域で憲法「九条の会」活動を行っている先輩がいる。大学4年時にはその先輩の下宿へ遊びに行ったことがあって、武蔵野の面影が残る道を散歩した思い出が懐かしく思い出される。その人から「ひとつスポーツと平和をテーマに文を寄稿してほしい」と依頼された。引き受けはしたが、ハタと困っている。いざとなると何を書こうかと迷う。
確かにわたしが生きがいを感じている古希野球も世の中が平穏であるに限る。コロナ禍では2年間公式戦が中止となった。人生の大事な時間を奪われたように感じた。そのことで引退に追い込まれた選手もいて、スポーツは世の中の流れに逆らえないものなのだと思った。平穏な社会あっての野球だ。
その古希野球は27日(月)をもって今シーズンが終了した。東西地区1位による決定戦は2-11で大敗だった。わたしの不調が原因。姫路は強かった。試合の流れを引き寄せるときに、わがチームにボーンヘッドが出たり、姫路にはラッキーな打球が多かったりと、実力に大きな差はないのだが、勝つだけの力はなかった。また勉強して出直しだ。チームの人たちに感謝しながら、シーズンの疲労が溜まった重いからだを引きずって帰宅すると、ネットのニュースに以下のような記事が出ていた。
☆東京五輪の招致をめぐり、石川県の馳浩知事が「IOC委員に贈答品を渡すために官房機密費を使った」と口を滑らせてしまった問題が波紋を広げている。ラグビー元日本代表で神戸親和大教授の平尾剛さん(48)は28日、X(旧ツイッター)で「スポーツだけをやってればいい時代は終わりました。アスリートも社会に目を向けて」と、警鐘を鳴らした。それに対して読者というか一般ユーザーから「気になるのは現役の選手達がまるで無関心なのか沈黙していること。言いたくても言えないのか、それとも何が悪いのか全く分かっていないのか」とのコメントが寄せられた。 とのこと。平尾さんの返信は「スポーツだけをやってればいい時代は終わりました。アスリートも社会に目を向けて、いま、なにが起こっているのかを知らねばなりません。スポーツが消費されないように、自衛しなければならないんです」と述べている。☆ (これは29日配信の中日スポーツによる)
世の中一般に、スポーツ選手が何か言うと「スポーツに政治を持ち込むな」といった反論が必ず出るし、大学紛争の際には体育会系の学生が抑えに回ったこともあったし、スポーツ関係者は社会問題に疎い傾向はあると思う。何かに利用されやすいかもしれない。しかし世の中はどんどん変わってきている。ジェンダー平等にしても、性の多様性を認める動きにしても、特に女性や若い世代の中に変化が起きている。それはやがてスポーツ界にも影響を及ぼして、選手たちが堂々と自らの意見を主張する時代が来るだろうと予想する。
それはまだまだ先のことかもしれない。プロ野球選手がパワハラで自由契約になったり、女性への乱暴で出場停止になったりしているから時間はかかるだろうが、スポーツ界も変化せざるを得ない時がすぐそこに迫っているはずだ。変わらなければ世の中から取り残されるだろう。スポーツを愛する古希野球選手としては、社会に向かって声高々に主張しなくても、スポーツができるありがたさをかみしめながら周囲の人たちに接していきたいものだ。
また今年もシーズン・オフがやってきた。私的には休む間もなく二日後には「第11回 鈴木啓示 草魂カップ学童軟式野球大会」が開幕する。明日はプロ通算317勝の殿堂入り投手、元ミスター・バファローズの鈴木 啓示さんを西脇ロイヤルホテルに迎える。県下32チームの学童に、平和な時代に野球ができる幸せをかみしめてもらいたいと思っている。主催者として。
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