ストーブリーグ
「ストーブリーグ」の語源はプロ野球にある。ベースボールのシーズンが終わってしまうと秋風が吹き、ファンたちにはさみしさが忍び寄る。来シーズンの到来には時間がある。かくして熱心な野球ファンは、ストーブを囲んで選手のトレードや給料、あるいはひいきチームの来シーズンのラインナップを語り合う(もちろんアメリカの話)。そこから生まれた言葉だと聞いた。
わたしたち古希野球の選手とて同じこと。シーズンが終了するとめっきり老け込むのだ。野球をやっているときは若やいだ気分だが、ユニフォームをタンスにしまう季節にはそこはかとない寂しさが忍び寄る。「おれたちにもストーブリーグがほしい」と思う季節。
だが今年は違う。人生「今からだ」と思うとシーズンオフの気持ちの持ちようが変わってきた。来シーズンは古希野球デビューとなる。70歳を迎える春に、新しい世界へ向けて歩を進めるのはなかなかいいものだ。古希・還暦野球「三田プリンス」の秋季練習参加機会が4度残っている。あの球を試したい、フォームを確立したいと意欲が出る。
チームから今年度の成績表が送付されてきた(もちろんメールで)。昔なら考えられないことだ。公式戦と交流戦の成績表である。わたしが関係する交流戦の欄を見る。
・試合10(合計12試合) ・打席31 ・28打数11安打 ・打点9
・二塁打4 ・盗塁3 ・得点5 全員のデータが細かく記録されている。
これで見ると打率は3割9分2厘。そして最多勝利投手の欄に「7勝」とある。11安打も打ってたかな?7勝もしたのか?不本意な打撃が続いていたのに打点9はチーム最多ではないか。
冬の記憶。遊びとて何もなかった時代の元旦のこと。村の仲間は連れだって小学校の運動場で野球の練習をしていた。遊びはいつも野球、野球、野球。そのDNAを今も体内に抱えたわたしは遠く離れた三田市の人たちと白球を追う。人生は何が起こるかわからない、まったく。
代表を務める障害者就労支援施設「ドリームボール」が事務所を構える運動公園に時として強風が吹きすさぶ季節となった。ランニングしている。風が吹く。そんなときは「人生の秋風もこんなものか」と一瞬ネガティブな感慨を抱くが、すぐに「いやいや、今から今から」と叫ぶ内なる声がある。
この冬はスロージョギングと筋トレで来年に備えたい。100m歩いて100m走る、それを毎日30分から1時間。そうすれば1か月後には1時間走り続けることが可能となる。これならやれそうだ。腹もへっこむだろう。古希野球をやっているから日常が積極的になる。若い気持ちになれる。古希のレベルは高い。やってやろうと思う。野球人生の全てをかけて、来シーズンはビュンビュン投げまくってやろう。
さあ、きょうは暖かい。ふれあいスタジアムでは中学生の硬式野球大会「西脇市長旗杯」(わたしは官兵衛杯として立ち上げたのだが)が行われている。負けずにランニングに出ようか。
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