熊本市で障がい者施設の未来を考えた
まずは2019年2月3日にスポーツ報知西部本社(九州版)提供の記事を拾うと。
『障害者の就労支援につなげる取り組み拡大へ 「エコボール」全国集会 熊本で開催
傷んだ硬式野球ボールを福祉作業所で縫い直して再利用する「エコボール」の全国集会が2日、熊本市内のホテルで開かれた。ボールの修繕費を賃金にして障害者の就労支援につなげていく取り組みで、全国から約50人が集会に参加。各事業所の活動報告や組織化に向けた意見交換を行った。
3回目となる全国集会には、この活動を支援する日本プロ野球OBクラブの八木沢荘六理事長(元ロッテ投手、監督)が出席。「母校の作新学院でもエコボールを使っているが、縫い目の硬さなど普通のボールと変わらない出来栄えと聞いた。これからも野球界を一緒に盛り上げていけるよう頑張っていきたい」と協力を約束し、修繕用の糸を進呈した』
3回目にしてはじめての複数参加。わたしたちの障がい者就労支援施設の名は「ドリームボール」。代表のわたしと、4年前に利用者としてドリームの門を叩き、コツコツと自分の階段を昇ってスタッフに昇格したJ君、ふたりは2月2日、姫路発の新幹線「さくら」で熊本へ向かった。12:33着で、駅校内でランチ定番のラーメンをすすってから会場へ。熊本駅は大改修の真っ最中だった。
会議後はホテル内で食事会。主催者のお父さん(地域ではかなりの有力者。四国もそうだったが、福祉施設や障がい者就労支援施設の運営者には地域の名士が多いようだ)から熊本の名物「馬刺し」の差し入れがあった。西脇市でも九州出身のIさんご夫婦のご厚意でたびたび馬刺しをいただいた経験があるから味には慣れている。J君が好んで食べていた。
馬刺しをほおばる若いスタッフの横顔を眺めながら、わが「ドリームボール」の将来を考えた。J君はスタッフに昇格した。調理師免許を持つY君は目下新事業のクッキー作りに挑戦中である。統合失調症と診断されているN君は、当事者が当事者を援助するピアサポーターの資格を取り、将来は相談員として障がい福祉の世界に邁進したいと願っている。
大柄で働き者のF君は「みんなが生活できるグループホームをつくってえなあ」と懇願する。母親の体調を気遣ってのこと。「5年後にドリームがグループホームを創るかな」と笑って返答しているが、すべて実現しなければならないことばかり。あと3年、現在の忙しさが続くのだ。
熊本駅前の東横インにチェックインしたふたりは路面電車で繁華街へ。西脇市役所の若い女性職員Hさんとの約束を果たさねば。「せんせい、熊本へ行ったらぜったい馬肉の焼肉を食べてくださいよ」。店頭のガードマンいわく、「高価ですよぉ」とのこと。そこへ「・・・ホルモン」の文字が。この店なら安いかも、いやいや4年間のJ君のがんばりを慰労するんだ、高くても、えーぃ入るぞ!
脂肪分が少なく、コリコリとした舌触り、2種のタレに塩もある。これは癖になるわ。馬肉は「さくら」と呼ぶらしい。「さくらの焼肉」初体験はビックリの美味さだった。それに焼酎が澄んだ旨さで馬肉に合う。新発売の銘柄「時習館」、わたしはこの焼酎をおかわりしていた。聞けば熊本市内の水道はすべて地下水だというから、どの家庭でも蛇口をひねればミネラルウォーターが飲める。何ともうらやましい話。
「さくら焼肉」の代金は西脇の焼き鳥に比べて一人分よりまだ安い。翌日は震災の傷跡も生々しい熊本城を散策し、昼過ぎに雨天の熊本を離れた。前週は東京、この週は熊本。ドリームボール、古希野球、たまには読書、まだまだ忙しい。歳を考える時間もない。
0コメント