スポーツと地域振興
10月27日(日)にForbes Japan が配信した記事によると、同社が初開催のスポーツビジネスアワードで徳島県阿南市がローカルヒーロー賞に輝いたという。阿南市が「野球のまち」を提唱して10年、2018年度には野球関連の宿泊客が5000人を突破、直接の経済効果は1億3000万円を超えた。スポーツによる地域おこしの成功例がここにある。
昨日の11月2日(土)の午後、三田市キッピーモール6Fで開催された「2019ブルサン10周年感謝の集い」に招かれて参加した。三田市の本拠を構えて地域のファンやスポンサーに支援されて丸10年、経営的には苦しさの連続だったと思われるが、4人の選手をNPB(日本プロ野球機構)へ送っている。
その数が多いのか、はたまた少ない人数なのかは別にして、ここには「必要なのはスポーツの振興ではなく、地域振興にスポーツはいかに役立つかのアピールであろう」(杉山茂)といった問題提議に応える内容がある。地域のファンとのコミュニケーション、芦屋大学との連携、地域へ出かけてのボランティア活動など、関西独立リーグ「兵庫ブルーサンダーズ」が日常的に実践してきた道に間違いはない。阪神、ヤンキースで投手としてプレーした井川 慶氏もOBの一員として壇上で挨拶をした。
三田市長をはじめ、県会議員、市議会議員、スポンサー連のあいさつには地元への貢献度の高さを感謝する内容があった。街にプロの野球チームが存在する意義、効果が徐々に浸透しているように感じた。
同じく三田市では10月10日(木)の午前にテレビの取材があった。4Kテレビで外国人向け放送の取材。(株)テレコムスタッフが製作するNHK WORLDの番組。「走る哲学者」と称されるオーストラリア出身のザック・レイノルズさんが自転車で日本を旅する番組の兵庫編で三田市にやってきた。
番組は3日で自然と職が豊かな兵庫県を縦断するといった内容。三田市で還暦・古希の中高年が野球をやっている現場に遭遇してザックさんが飛び入りする場面を撮影したのだった。「クリケットは得意なのだが」と日本在住20年の達者な日本語で語る外国人。しかしキャッチボール、トスバッティングを経て紅白戦の試合形式も打席で、セカンド守備でスポーツ能力の高さを示してみせた。
外国人がグランドに居るだけで雰囲気が変わる。3時間の撮影で放送はたったの7分。この後は幻の「丹波黒さや小豆」、天空の城・和田山城そして豊岡市、城崎温泉へと取材が進む。そのスタートが三田の還暦・古希野球だったのだ。わたしたちの「年寄り野球」がひとつの文化として認識されている証ではないかと思う。
徳島県阿南市の成功例がある。三田市の還暦・古希野球の存在もある。わたしの地元西脇市や近隣諸市・町がスポーツによる町おこしに真剣に取り組む日を待っている。
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