自分の感動は、やはり再び大リーグ
2019年も残すところ二日と半日。政治の世界では目を覆わんばかりの不祥事が続発し、経済面でも不況の域を出ていない日本。だからこそ、誠実に生きる庶民の哀歓に触れる日々が貴重なのである。
昨日はわが「ドリームボール」の仕事納め。暖かい陽光の中、十数名の利用者が揃って運動公園内の落ち葉を集める姿は壮観だった。いい光景だった。そしてみんなでケーキを楽しむ。「あすから暇や、引きこもりになりそうやわ」。年末年始9日間の休みはある意味彼らにとっては苦しみの日々。われわれスタッフにできることは気持ちよく家族のもとへ送り返すことだけ。その後スタッフは忘年会ランチへ。
多可郡多可町八千代区の「エーデルささゆり」。9名のスタッフを前に理事長はいった。「わたしには三つの嬉しさがあります。引きこもり対策としてスタートしたドリームボールが地域にりっぱに認知され始めたこと、このすばらしいメンバーで仕事ができること、そして精神の病気を抱えた利用者との生活がつらさではなく楽しさに変ってきたことです」。
2月から理事長は週二回の勤務です、外部との交渉に責任は持ちますが徐々に後継者に譲っていきます、と発言してはみたが、さてこれからは還暦・古希野球だけが夢なのか?と自分に問う日のこと、一冊の本に出会った。「不登校からメジャーへ~イチローを超えかけた男」(喜瀬雅則著、光文社文庫)がそれだ。
メジャーリーグ一歩手前まで行った男、根鈴雄次の名前は知っていた。だが彼が高校時代に不登校から引きこもりとなり、退学を経てアメリカへ留学するなど波乱万丈の人生を持っていたとは知らなかった。NPB(日本のプロ野球)に所属することなくMLB(メジャー)の3A(トリプルA)で活躍した唯一の日本人。本の詳細は後日に譲るが、人生の節目節目でわたしは示唆に富む良い本に恵まれる。
「わたしには夢がある」。そうなのだ、2月から故・今里 純氏が所有する膨大な日米の野球資料を再整理し目録を作成する。目録が完成すれば行政の支援を得てクラウドファウンディングによって全国から募金を募る。募金が集まれば西脇市内の旧商店街に資料館を開設し、ついに「大リーグの町、西脇市」がデビューを果たすのだ。その資料館には「ドリームボール」の金ゴマクッキーなどがお土産物として陳列される。スポーツと地域活性化と障がい者支援が結びついた新しい発想ではないか、と自画自賛。
日本人初の大リーガー、マッシーこと村上雅則氏を西脇に招きたい、元阪神監督の吉田義男さんも来てくれるだろう、元阪神球団社長の三好さんも。もちろんプロ通算317勝の鈴木啓示さんにも花を添えていただきたい。「大リーグと野球の町・西脇市主催近隣還暦・古希野球親善大会」などもぜひ実現したいイベントだ。「わたしには夢がある」。
今里 純先生は西脇市で歯科医院を開業する傍ら、戦後日本で大リーグ研究の第一人者として活躍された。その人の貴重な資料だ、個人的な意見で扱えるレベルではない。来る1月7日、西脇市内において今里先生のご子息、聡さんと会って今後の方向性について相談させていただく予定である。大阪大学歯学部長(と聞いているが)の多忙な中での帰省である。
やはり自分は大リーグのことになるとワクワクするなあ。この年末年始は長女(これはロサンゼルス在住でもちろん帰れない)も、名古屋の長男も、茅ケ崎の次男も帰らない。女房に「たまには家の片付けなどやったらどう!?」といわれるだけの今日明日なのだが、心は温かい。「わたしには夢がある」。
(写真はわたしにとってともに縁のある今里さんとパンチョこと伊東一雄さん)
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