順大、西工高駅伝惨敗に思う

 大学の同窓生から便りが届く。「正月早々でご免なさい。愚痴になりますが」と。文章の見出しはこうである。「あ~あ、さんさんたる結果。救いようがないなあ」。ごもっとも!

 今や正月の風物詩となった箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝)で順大は惨敗を喫した。シード権を失うばかりか、気迫の見られない走りで1区から低迷し、総合14位という結果に終わった。同窓生氏いわく、「自己記録28分台(1万メートル)で走る選手を7人も抱えてですよ」。ということは、と駅伝素人のわたしは思う。「そこそこの選手が入学しているのに指導陣が育てていないんだな」と。

 全国に散在する同窓生諸氏は深い嘆きに沈んでいるはずだ。「テレビの前で体調を狂わすほどの酒の量」を飲んだ人も少なからず存在したようだ。別のOBも電話口で言っていた。「俺たちが卒業した後のこと、5位になったのかな、確か、その報告会なんて大変だったんだから」。わたしの同級生たちが箱根を走った4年間の順位は、第45回大会3位、46回2位、47回2位、48回4位だったから、翌年の49回大会で5位に沈んだときは関係者一同大ショックだったことだろう。

 確かに現役選手も大変だろう。今回は10区間中7区間で区間新が誕生する「高速化駅伝」だった。個人を鍛える練習内容も質的進歩を遂げているだろうし、今回問題となった厚底シューズが影響しているかもしれないし、お金をふんだんに使える(選手の勧誘や練習環境の整備)学校が優位という側面もあるだろう。同級生の分析によれば、「体育学部を持つ学校の凋落がみられるよね」というのだ。順大、日体大、国士舘大、さらに筑波大学は確かに下位に名を連ねた。「OBの多くが学校の教師だったら同窓会費納入も滞る」、といわれればさしずめわたしなども順大駅伝部に何の貢献もできていないなと自戒せざるを得ないし。あぁ。

 暮れの高校駅伝でも考えさせられた。私の地元西脇工業高校は2時間5分台の24位に。過去8度の全国優勝を誇る名門も今や凋落の一途をたどる。ある関係者が言った。「2時間5分台でこの成績ですよ、選手はよく走っているのに」と。「バカか!」とわたしは思った。おまえはどこを見ているのかと言いたかった。西工高は1992年に2時間03分21秒で4度目の全国優勝を達成している。3年後の48回大会も3分台で6度目の優勝を飾った。

 そして54回大会以降は仙台育英が2分07秒、1分32秒と記録を更新していく。このころから高校駅伝は高速化の兆しを見せていたのに、十数年後の今頃に「5分台なのに」と、お前はいうのか。箱根は資金面も大切な要素だろう、高校駅伝も優秀な中学生を集める力が必要だ。しかし、だ、そうして入学してきた選手たちをりっぱな選手に育てるのは指導者の力量ではないか。

 順大の指導陣は一掃しよう。OBの中には青山学院の原監督に匹敵する人材があるはずだ。その人材を登用しようじゃないか。西工も西脇で合宿張るのをやめてこれからは全国の強豪校の胸を借りに遠征しなくっちゃ。どちらも過去の遺産を食いつぶしてばかりではいけない。なんとかしてよ!

 それとも、わたしが指導者の指導に乗り出そうかな。来年の今頃は愚痴と無縁な日常を望む、名もないOBの独り言。 

    (写真は復路の8区、茅ケ崎付近を走る順大の選手・知人の提供による)

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